星の王子様

2014年12月31日 11:47
きつねのことばなど
誰も信じはしないでしょう
だけど
わたしはあなたのことを
忘れることはありません
 
耳の中に
星が降る音
近づく度に
わたしはあなたから
あなたはわたしから
少しずつ 離れていった
 
何が怖かったの?
飛び込んだプール
濡れたからだを震わせると
あなたが笑った
形が違っても
ほらこんなふうに
愛し合うことは簡単で
 
 
あなたは神様ではなかった
ただの人間だった
遠い星から来た、王子様だった
時にだらしがなく
間違うこともあった
だけどそれがとても
いとおしかった
 
大丈夫
たとえ離れてしまっても
この世界にたったひとりだけの
あなたの髪の色も
肌の柔らかさも
声のやさしさも
瞳のかがやきも
ずっとずっと
忘れることはありません
 
 
気が遠くなるような
ずっと先の未来で
あなたに会えるかもしれないし
もう二度と会えないかも
しれないけれども
わたしはあなたのことを
忘れることはありません
 
あなたがわたしの
金色の毛並みを
そっと撫でるので
うっとりとからだを預け
別れを惜しみます
 
だけど今日、さびしがりのわたしは初めて
自分から、おやすみなさいと
お別れを切り出しました
 
 
わたしはわかっていました
もう二度と会えないことは
きつねのわたしにだって
感じることはできました
 
 
あなたの指と
わたしの前足が離れて
最後の言葉はあっという間に
わたしのひとりごとになって
闇に飲まれて消えました
 
 
でも大丈夫
わたしはあなたのことをきっと
忘れることはありません