ミス・マカロン

2014年04月27日 22:11

息をした
スカーフいちまいの軽さで
思春期の心が
春の風に吹かれて
ふわりと舞い上がるとき
新しい世界への期待と一緒に
まっさかさまにどこへ
落ちていくのか
なんて
不安にもなったりして


あなたのキスだけで
まつげの先まで震えて
わたしは息ができなくなって
そのまま死んでしまって
ショートケーキみたいな地層で
何億年もひとりぼっちで
何度も生まれ変わったあなたに
見つけてもらえるのを
待っているのかもしれない


あなたの温度と
声と言葉とを
大切に包んだら
真夜中、ベッドのうえで
紅茶を淹れながら
ひとりでそれを開くの


毎晩ひとりでわたしは
あなたのうたをうたう
あまくないくせに
あまくてしなやかで
ビロードみたいな
あなたは砂糖細工
あなたは毛布
あなたはすこしだけいじわる
あなたはわたしのかけら
わたしはあなたのかけら


マカロンみたいに
さくっと音を立てて
わたしのこころは溶けた


あったかくていじわるで
だれよりもすてきで
つめたくてあまくてにがくて
さわったらこわれそうで
こわしてみたくて
なにもいえなくなってしまう


あなたは不思議なひとね


そして


息をする