HARAJUKU殺人事件

2015年04月14日 23:09
わたし たった今 刺されてしまったの
よりによってお買い物の最中に
竹下通りの雑踏の中で
マリオンクレープの前で
手足がしびれて
なんだかとても寒いの
 
 
あまりにも あっけなかった
すれ違った瞬間に刃物がふれて
ケーキにナイフを入れるみたいに
わたしのお洋服と、肌と、
ぜんぶが順番にさくっと切れた
HARAJUKUファッションの
カラフルな女の子たちが
悲鳴をあげて逃げ出す
 
 
コンクリートは真っ赤っか
わたし 殺されちゃったら 
ジバニャンみたいに地縛霊になって 
ラブレター渡しに  行くのかな?
ゴーストになっても
誰にも脚が見えなくっても
かわいい靴を履いて
会いに行きたいな
 
今朝はふつうに家を出た
待ち合わせ 少しだけ遅れそうで
慌ててクローゼットを開けたけれど
一番お気に入りの あのワンピースを選んだ
あぁこれがわたしの最後のお洋服で
よかったかもしれない
 
 
あきらめはかんじん
全ては しつこくつきまとう
厄介者のせいね
あなたに告白なんかしたら
もしかして
巻き添えになっちゃうかもって
ぐずぐずしてたら
こんなことになっちゃった
 
でも電話が来るたびに 
胸がぎゅっと
おさえつけられるみたいに くるしい
片思い 煙草の火みたいに
地面に落として ぐしゃぐしゃって
踏み潰して なかったことにできるかな
あー…どうしよ
もう時間がないのに
 
わたしのおなかは まっぷたつなの
あなたがパパになって
わたしがママになって
そんなこと少しだけ夢見て
あの子とキャーキャーさわいだけど
たぶんもうぜんぶ無理だとおもう
痛すぎて涙も出ないよ
救急車から白衣の人が何人も降りてきて
大丈夫ですか!って言う 
あぁだめ お洋服 脱がさないで
でももうくちびるもしびれて
少しのお返事もできないの
泣きたいのに涙も出ないし
息したいのに息ができない
わたしの好きな人に会わせて
こんなんじゃ成仏できない
わたしのだいすきなひと
もう前が見えない
どこにいるの
ねぇだれか
連れてきて
お願い
 
好き